ウィッグ装着が心と体の健康に及ぼす効果 -ウィッグ着装時の気持の変化について-

 闘病中の脱毛状態の姿から、ご自分の以前の姿に戻られるウィッグ着装時の心の変化は、大きなものがあります。安心感と他の人と変わらない存在感を求め、可笑しくない自分を鏡の中で探そうとします。

 2019年5月日本家政学会 第71回大会で研究発表の内容をご紹介致します。一般女性は、ヘアスタイルを変えることで緊張感やストレスが緩和し、前向きに肯定的に受け止める傾向があります。*1  がん治療に関連した外見ケア(ウィッグ等)の相談会を院内で開催すると、「痛みやつらさを忘れられた」「薬よりも効果がある」など、心理的つらさの緩和を示唆するコメントが多く寄せられます。*2  また、乳がん女性患者からは、「乳房がなくても外は歩けるが、髪の毛がないと外も歩けない」という切実な声が聴かれます。*3したがって、社会生活上のウィッグの役割は大きく、ウィッグをつけることは気持ちを前向きに好転させる、と考えられます。

 特に、闘病中のウィッグ着装は表情も笑顔に変わり、心まで動かされる大きな出会いとなります。一般成人女性を中心に調べた実験では、大きな心の変化を読み取ることが出来ました。思春期に小児がんを発症した患児ではその心の変化は大きなものでありました。思春期は自分の容姿に自意識が高まる時期にあるため、その体験は衝撃的で心理的動揺が大きく心を動かしています。そのため、主治医から髪が抜ける事実を聞いた直後からなんの準備もなく過ごした場合、容姿変化した後も、将来に渡り幼い心に苦痛が残ります。そのため医療ウィッグでの事前容姿変化のカウンセリングは欠かせないと思われます。

*1 「ウィッグ装着が心の健康に及ぼす効果を探る」,金笑榮・伊江邦男,日本家政学会第71回大会,2019年                                                                               
* 2「東大病院における外見ケアサービスの発展」,分田たか子ほか,日本癌治療学会第55回学術集会抄録P112-4,2017年                                                                  *3 「脱毛を経験した乳がんの女性患者のウィッグ購入に関する実態調査」,田代陽子ほか,日本癌治療学会第53回学術集会抄録P113-5,2015年

                                                                                                                                                 

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